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Sandfish Records Diary

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遠藤と三浦

 昨夜のアルバイト帰り、東海道線に乗っていた。同じく仕事だった妻と藤沢で待ち合わせ、夕食を食べて帰る約束になっていた。

 あと10分で藤沢駅に着く頃、妻からメールが届いた。タイトルは「ちょ…!!」。内容は「ばばば番長のブログ!見てっっ!!」。番長とは、昨年現役を引退した元横浜DeNAベイスターズの三浦大輔のことである。

 妻は番長のことになると冷静さを失う。「今度は一体なんだ?」と言われるままに番長をブログを見た。タイトルは「明日」。内容は「5月11日(木)・・・ルミネ藤沢で・・・18:30~ 大先輩の・・・遠藤一彦さんと・・・対談します! ヨ・ロ・シ・ク!!」。

 僕から妻への返信。タイトルは「なにー!」。内容は「た、たいへんだ…」。こうして冷静さを失った夫婦ができあがった。

 遠藤一彦といえば、ベイスターズの前身である横浜大洋ホエールズ時代の大エースだ。番長の対談相手としてこれ以上の人物は考えられない。もはや「藤沢の奇跡」と言ってもいい出来事である。

 しかし、ここで重大な問題が。明日(もう今日だが)、妻は仕事なのだ。つまり、番長が地元の駅ビルに来たところで、どうすることもできない。こんなに番長が好きなのに(遠藤も好きなのに)、それではあまりに不憫ではないか。

 「僕にできることはあるだろうか?」、電車に揺られながら考えた。もしチャンスがあればふたりのサインをもらってあげよう。番長には妻所有のユニフォーム(番長がプロ入りした頃のレプリカ)に書いてもらおう。遠藤にはホエールズ時代の帽子に書いてもらってはどうか。また、一緒に写真を撮れたときのために、妻の写真を額に入れて持って行こう。それをふたりに持ってもらって、僕がシャッターを切ればいい。あぁ、なんて感動的なんだ。

 待ち合わせの本屋へ行くと、妻はプロ野球の選手名鑑を立ち読みしていた。声をかけると血走った目で僕を見た。僕は電車の中で考えたことを妻に話した。彼女はふむふむと僕の話を聞いた。僕らは静かに興奮していた。「まずは詳細を知らねばならない。会場へ向かおう」と、いざ藤沢ルミネへ。そして、エレベーター前に置かれたチラシを発見した。ところが…。

 受講料:会員 3,996円 一般 4,644円 

 なぜ僕は無料だと思ったのだろう?冷静さが僕ら夫婦の元に戻ってきた。

 夕食を食べながら、僕らは残念会をした。「せっかく藤沢まで来るのにね」、「残念だね」、「最高の組み合わせなのになぁ」、「残念だねぇ」、えとせとらえとせとら。

 でも、僕はわかっている。もし妻の仕事が休みだったら、おそらく彼女は行くだろう。そこが妻と僕の温度差だ。せめて、ユニフォームと帽子を持って「入り待ち」でもするか?まだ時間はある。ゆっくり考えよう。

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by sandfish2007 | 2017-05-11 07:55 | diary | Comments(0)
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