この家で暮らし始めて昨日で5年がたった。よく自分が家を買えたものだと未だに思う。物書きやレーベル業では食べていけず、アルバイトを続けたことが功を奏したことになる。それで住宅ローンを組めたのだから、何があるかわからないものだ。
ここでの生活は気に入っている。自然が豊かで静かなのがいい。家の中で過ごす時間も好きだ。
5年前のこの時期も、今年と同じように、ポール・マッカートニーが来日公演を終えたばかりだった。だから、僕はポールのTシャツを着て、運び込んだばかりの荷物の整理をしていた。そして、コンポを繋いで最初にかけたのはウイングスの「幸せのノック(Let'em in)」だった。
誰かがドアをノックしている
誰かが玄関のベルを鳴らしている
もしよかったら ドアを開けて
家にあがってもらおうよ
きっとそんな気分だったのだろう。自分の家を持てたことが誇らしかったのだと思う。例えそれが22年前の中古マンションだとしても。
そして今、クイーンの映画『ボヘミアン・ラプソディー』がヒットしていることで、昨日がフレディー・マーキュリーの命日だと知った。5年前は気づかなかったけど、そうだったのか。そして、もう5年たつのか。そうなんだな。