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Sandfish Records Diary

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ルビーの指環

 「ルビーの指環」のコラムを書いたことをきっかけに、この曲の歌詞のほとんどが、喫茶店(あるいはそれに類する店)のワンシーンであることに、37年たってようやく気づいた。

 窓ガラスは曇っている。季節は晩秋だろうか。外では冷たい風が吹いている。大人の男女が別れ話をするために、テーブルをはさんで座っている。彼女が問わず語りに別れの理由を話し、男はそれを聞きながら、自分が失ってしまったものの大きさを痛感している。

 彼女は背中を丸め、うつむいたまま指環を抜き取る。それを見て男は言う。「俺に返すつもりなら、捨ててくれ」。彼女ははっとし、指環をバッグに仕舞う。

 男の脳裏には、ある夏の日の出来事が浮かぶ。8月のまばゆい陽射しの中、彼女にプロポーズしたときのことを。彼女にどんな指環がほしいか訊ねると、彼女は少し考えてからこう答える。「そうね、誕生石ならルビーなの」。

 テーブルをはさむふたり。男は言う。「俺はひとりが好きだから、気にしないでいいよ。気が変わらないうちに消えてくれ」。

 店を出る彼女。残る男。テーブルには冷めた紅茶が置かれている。曇った窓ガラスの向こうでは、冷たい風が吹いている。彼女が襟を合わせて喧噪の中へと消えていくのを、男は見送る。

 ここで場面は2年後に切り替わる。男は今も彼女のことが忘れられない。だから、彼女がよく着ていたベージュのコートを見かけると、その指にルビーのリングをさがしてしまう。今も彼女があの指環を捨てないでいるかもしれないと思って。

 この歌詞を書いたのは松本隆。別に彼の最高傑作というわけではないだろう。それでも見事としか言いようがない。映画のワンシーンのようであり、実際にあった出来事のようでもある。今では昔話みたいなものだが、あの時代にはこの歌みたいに、少しばかりハードボイルドなロンティシズムというものが、割と身近にあったものだった。

 37年もたってようやく気づくなんて。でも、これが音楽の深みというものなのだろう。

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by sandfish2007 | 2018-04-24 01:14 | diary | Comments(0)

サイクリング

 久しぶりに川沿いの道をサイクリングした日曜日。神奈川県で2番目に長い川だそうで全長は51km。そのうちサイクリングロードがあるのは20kmほど。

 春と初夏が入り交じったような陽気は、Tシャツ1枚でちょうどよく、それでいて汗もほとんどかかなかった。川の水に足を浸すと、最初はひんやりし、次第に暖かく感じるようになった。

 僕の家のそばをこの川の支流が流れているので、僕らは川に沿って走り出すと、サイクリングロードの終点で折り返し、同じルートで家まで帰ってきた。昼過ぎに出発し、帰宅したのは午後5時頃だった。

 シャワーを浴び、まだ外が明るいうちから晩酌を始めた。アジの開きに冷やしうどん。ビールと日本酒。フィッシュのCDをかけながら妻とあれこれ話しているうちに、いつの間にやら夜になっていた。

 お酒の酔いも手伝ってか、ほどよい疲労感が心地良く、やっぱりサイクリングは楽しいなとぁ思ったのだった。

 最後に掲載情報をひとつ。1980年代に特化したエンターテイメント・サイト『Re;minder(リマインダー)』に新しいコラムが掲載されました。今回は寺尾聰の「ルビーの指環」です。この曲が売れ始めた頃の想い出話を書いてます。もしよかったら…。

寺尾聰の大人のつぶやき「ルビーの指環」〜 僕が歌謡曲に夢中だった頃

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by sandfish2007 | 2018-04-23 07:04 | diary | Comments(0)

清々しい朝

 清々しい朝。緑に朝日が当たってきらきらと輝いている。いい季節になった。ザ・フーをかける。朝食にアサリの味噌汁をいただく。沁みる。気がつけば4月下旬。今日は夏日になるらしい。そろそろ体を動かして、心とのバランスをとっていこう。

 なんであれ、清々しい朝。ダンボールを捨てに出ただけで、こんなに気持ちがいいのだから、まったく、いい季節になったものだ。
 

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by sandfish2007 | 2018-04-20 07:03 | diary | Comments(0)

プログレに疎い

 僕はプログレに疎い。ほとんど聴いたことがないと言っても、差し支えないだろう。唯一好きなのはピンク・フロイドで、文学的な雰囲気に惹かれた。キング・クリムゾンもアルバムを何枚か聴いたことがある。あと、カンタベリー系のアーティストでは、ケヴィン・エアーズがシンガーソングライターらしい佇まいで好きだが、アルバムは1枚しか聴いたことがない。

 以上。話が広がらないにもほどがある。なぜこれほどプログレを聴かなかったのかといえば、単に偏見があったからだと思う。よく知りもしないのに「肌が合わない」と思ってしまったのだ。

 何を聴こうと僕の自由なので、別に問題はないのだが、プログレッシヴ・ロックといえば広大なジャンルだ。中には僕好みの曲やバンドだってあるだろう。だから、たまに聴いてみようかなと思うこともある。しかし、そのためにはやはりきっかけが必要なのだ。

 例えば、プログレに夢中な親しい友人が数名いて、会えばプログレの話ばかりという環境なら、僕もプログレのレコードに手を伸ばしやすい気がする。でも、僕の周囲にそういう人間関係は存在しない。たまに会う人から「プログレはいいよ」と言われても、僕は忘れっぽいので興味は長続きしないだろう。

 と、そんなこんなで、疎遠なままここまできた。多分、これからも疎遠だと思う。でも、先のことはわからない。いつの日か、音楽の十字路で、プログレと運命的な出会いをする日が僕に訪れるかもしれない。それは誰にもわからないことだ。

 最後に掲載情報をひとつ。1980年代に特化したエンターテイメント・サイト『Re;minder(リマインダー)』に新しいコラムが掲載されました。今回はイエス最大のヒット曲「ロンリー・ハート」です。実を言うと、イエスはこの曲くらいしか聴いたことがないのですが、もしよかったら…。

曲とビデオの相乗効果、新生イエスの「ロンリー・ハート」

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by sandfish2007 | 2018-04-19 07:40 | diary | Comments(0)

たまには2パック

 珍しくヒップホップを聴いている。2パック『ミー・アゲインスト・ザ・ワールド』は、僕が持っている数少ないヒップポップのアルバムだ。

 僕が20代の頃、アメリカのヒットチャートはヒップホップやR&Bのアーティストで埋め尽くされていた気がする。その中心にいたのが僕と同じ世代のラッパー達だった。日本の学年で言うと、2パックは僕の2つ下、ノトーリアス・B.I.G.は3つ下、パフ・ダディやジェイ・Zは同い年だ。

 彼らの音楽は僕の趣味とは言えなかったし、悪そうなルックスや、ほとんど犯罪者と呼べそうな経歴や、過激な言動にも、親近感をもてなかった。でも、同世代なのかと思うと、彼らのやっていることがなんとなく気にもなった。ちなみに、ジェニファー・ロペスやマライア・キャリーとも同い年だ。ベックはひとつ下。

 育つ環境によって人生は大きく変わる。2パックを聴いていると、改めてそう思う。このアルバムがリリースされた翌年、2パックは横付けされた車から銃撃され死亡する。26歳だった。翌年にはノトーリアス・B.I.G.もパーティー帰りに銃撃され、24歳でこの世を去っている。人によっては音楽をやるのも命がけということか。

 『ミー・アゲインスト・ザ・ワールド』は、裏ジャケに収録曲がAとBに分けて記載されている。アナログ・レコードのA面とB面みたいに。僕はメロウな曲が比較的多いBサイドの方が好きで、そちらばかりを聴いていた。全部聴くには長過ぎるから、こうして分けてもらえると聴きやすくて助かる。

 あれから20年以上がたったのか。でも、2パックは今も26歳のまま。なんだか信じられない。
 

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by sandfish2007 | 2018-04-18 10:45 | diary | Comments(0)

1974年

 たまに理由もなく調子が出ない日というのがある。なにをやるにしてもモチベーションが上がらず、すぐに眠くなる。昨日はそんな日だった。そこで、同じようにぼんやりした人を見つけて「なんだかねぇ」と言うと、「まぁ、春ですから」とぼんやりした言葉が返ってきた。

 夕食用にマクドナルドでダブルエビフィレオを買って帰り、「バーガーにはアメリカン・ロックかな」とジョン・クーガー・メレンキャンプのレコードを引っぱり出したところで、彼がインディアナ出身であることを思い出した。インディアナとエビバーガー。なんだか違う気がする。

 エビは海にいるわけだから(川にもいるけど)、海沿いのロックがいいだろうと、イーグルスの『オン・ザ・ボーダー』をターンテーブルにのせた。そして、ビールとマカロニサラダと一緒にダブルエビフィレオを食べた。

 久しぶりに聴く『オン・ザ・ボーダー』は、とてもいいアルバムだった。ジャケットの裏を見ると1974年と書かれていたので、つづけて1974年のウエストコースト・ロックを聴くことにした。リンダ・ロンシュタット『ハート・ライク・ア・ホイール(悪いあなた)』、ジャクソン・ブラウン『レイト・フォー・ザ・スカイ』。うっかりJ.D.サウザーのファースト・アルバムも聴いたが、これは1972年の発売。ほろ酔いだったのだろう。

 寝る前にはキャロル・キングの『ラップ・アラウンド・ジョイ(喜びにつつまれて)』を。これも1974年のアルバムで、多分ウエストコースト録音。でも、途中で眠くなって最後まで聴けなかった。昨日はなんだかそういう日だった。
 

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by sandfish2007 | 2018-04-17 07:39 | diary | Comments(0)

始まりも終わりもない

 今朝はボブ・ディランから。無条件に心が高揚する感じを思い出そうと。楽観的な気持ちなども。喜びとかも。

 日曜日、CDを出荷し、あれこれ準備をした。それから原稿を書いて送ったら、午後になった。テレビをつけるとベイスターズが先制していたので、昼間からビールを飲んだ。これで8連勝。単独首位。

 公園の藤棚を眺め、ベンチに座ってぼんやりした。友達の店が1周年ということで飲みに出かけた。盛況な店内でお祝いにと一番高いメニューを注文した。それから居合わせた体の大きい友達といろんな話をした。プロレスとか柔道とか。店内ではハードロックとか古いロックが流れていた。ボブ・ディランはかからなかった。

 ボブ・ディランを初めて観たのは、もうすぐ大学を卒業する1994年2月だった。僕はパタゴニアへ自転車旅行へ行くことが決まっていたが、ディランのライブが観たくて出発を数日遅らせた。

 横浜文化体育館。1曲目の「ジョーカー・マン」。無条件に心が高揚した。僕にとってボブ・ディランとはそういう存在だった。特にあの頃はそうだった。

 なにかを発信するにはエネルギーがいる。昔みたいに無尽蔵にあるわけじゃないから、その分は貯めておかねばならない。でも、エネルギーは循環するものだから、じっとしていると涸れてしまう。昨夜、友達が柔道の動きは円なのだと言っていた。円には始まりも終わりもない。そこがいいのかもしれない。
 

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by sandfish2007 | 2018-04-16 07:41 | diary | Comments(0)

先送り

 コーヒーを淹れてジョン・レノンをかける。「こんな時代が来るなんて誰も言ってなかった」と歌っている。まったくその通りだ。今日もいい天気。

 ジョンのように軽やかにステップを踏めるといいのだけど、今や体がガチガチな僕には難しい。柔軟性や体幹を意識して過ごそうと思うのだけど、すぐに忘れてしまう。軽やかなステップは遠い。

 筒香選手は日頃から体幹を意識しているそうで、筋トレをしないのは体のバランスが崩れるからだとインタビューで言っていた。「それはいいことを聞いた」と思った。こういうところはすぐに真似をする。いろいろ遠い。

 昨夜はマクドナルドでダブルビッグマックをテイクアウトして、家でビールと一緒に食べた。これはビッグマックに100円プラスすると肉が2枚から4枚になるというもの。ペロリとたいらげたが、朝になった今もお腹が重い。

 おそらく、明日の朝は体重が増えていることだろう。最近はたくさん食べた翌々日に体重が増えるようになった。二日酔いもそうだけど、なんでも遅れてやってくる。先送りだ。

 できることなら物事を先送りせず、その日のうちに解決したい。でも、そうするためには1日は短すぎる。解決するための時間が足りず、やることばかりが山積していく。だから、これからも先送り。

 数年前、親父が入院したとき癌が見つかった。でも、その癌は進行が遅いから、親父が生きている間は特に影響はないだろうと聞いてほっとした。こういう先送りもある。人生いろいろ。
 

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by sandfish2007 | 2018-04-13 07:28 | diary | Comments(0)

ささやかな救済

 僕がこのブログに願望なり不安なりを書くと、それと真逆なことがたびたび起こる。ただの偶然であることはわかっているが、「またか」と思うくらいは実際にある。

 例えば5日前、僕は横浜DeNAベイスターズがなかなか勝てず、1勝5敗の最下位であると書いた。するとその日からチームは4連勝し、1割6分だった勝率を5割まで戻した。あのブログを書いた時のチーム状態でまさか4連勝するとは思わなかったから、まったく嬉しい誤算である。

 他にも1年前、アルバイトがなかなか決まらないと書いたら、2日後に今の職場に採用された。あのときも嬉しかった(というか、ほっとした)。

 ただ、この傾向を利用しようとしてもうまくいかない。当たり前だが、僕にそんな力などあるはずもなく、これはただの偶然なのだから。というか、そもそも僕の先見性や判断力の乏しさが問題なのだろう。

 それでも、予想がいい方向に裏切られるのなら悪くない。これは言ってみれば、ささやかな救済だ。そういうことが日々の中で起こるから、なんとかやっていけるのかもしれない。
 

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by sandfish2007 | 2018-04-12 07:38 | diary | Comments(0)

5時間で十分

 日曜日の宴会、僕の記憶がおぼろげになったのは18時を過ぎた頃だったと思う。13時くらいから飲み始めたので、5時間が経過しているわけで、まぁ、そんなものだろう。19時過ぎに一足早く帰宅し、気がついたら床で寝ていた。

 みんなは何時頃まで飲んでいたのだろうと、昨日は挨拶がてらその店に立ち寄った。店主曰く、「23時過ぎかなぁ。片づけて、2階の店で打ち上げして、のぼりの終電に間に合ったから。久しぶりに12時間飲んだなぁ」とのこと。どうしてそんなに元気なんだ。

 かつてはお酒に強い自負があったけど、今はそのかけらもない。記憶は飛ぶし、寝てしまうし、翌日に疲れは残すし、ダメダメである。もうたくさん飲みたいとは思わない。美味しいお酒を、美味しい肴と一緒に、ほどほどに飲むのが楽しい。つまり、弱くなったのだ。

 12時間かぁ。いやはや。僕は5時間で十分である。
 
 最後に掲載情報をひとつ。1980年代に特化したエンターテイメント・サイト『Re;minder(リマインダー)』に新しいコラムが掲載されました。本日59歳の誕生日を迎えたブライアン・セッツァーについて書いてます。ブライアンも飲みそうだな。そうでもないのかな。ぜひ読んでみてください。

ブライアン・セッツァーはロカビリーの天才だ。そこに疑いの余地はない

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by sandfish2007 | 2018-04-10 07:34 | diary | Comments(0)